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ママ友のありんくりん会話

ママ友のありんくりん会話先日、二人の子供がいる友人N子さんから質問されました。子供を育てる事の意味や家族とは何かを深く考えていらっしゃる自己向上に熱心な方です。アメリカ在住が長くなってきた邦人としての意見を求められ、対話はとても刺激になりました。そのやり取りを今日はアップ。

N子:先日行われた大統領選。全く関係ない沖縄に住んでいても歴史に残ることだと感じてしまいました。アメリカって自分たちで国の代表を選ぶじゃないですか。それってどういう感じですか?日本だと選挙がもう身近にない感じがするんですが。政治家が変わってもなにも変わらない、という感じです。そのへんもアメリカは違っていますか?

ちむどん:アメリカ人は、日本人よりも政治に関心が高いと思います。自分達の国は自分達が作っているという概念が日本人より強いと思います。政府が決める事は自分の生活と密着していることですし、自分が納めている税金がどう使われるかが気になるからです。法定もころころ変わる国ですから、誰がリーダーになるかによって自分の生活にもろに影響が出て来てしまいますものね。これが、民主主義ですけど、その分、誰をリーダーとして選ぶかは自分達に責任があるからと捉えるんですね。だから、選挙活動に参加するまでには至らなくても、自ずと投票の意識は高くなります。大統領選中は、職場、バス停、パーティーなど、人に会えば政治の話題でした。アメリカ人の良いところは、チャンスを信じるところだと言えるかも知れません。良いものは試してみる。そしてそれが失敗だったらそれを素直に「認め」ます。そして改善しようとします。

残念ながら日本は「自分達のリーダーを自分達で選ぶ」という認識がどんどん薄くなって行っているような気がします。N子さんが仰る通り、「どうにもならない」「何も変わらない」というのが先に出て来て諦めている様な気がします。「責任」を必要以上に重荷に感じている国のように見えます。「失敗」を「恥」だと思っているから新しいものを生み出しにくくしている気もします。
アメリカ人は「誰でも失敗はする。失敗は当たり前」と思っていますよ。やってみないと分らん。失敗したら、そこから学んで改善しようとするし、前進ができるのだと思います。半世紀でアメリカはこの変わり様です。凄いと思いませんか。50年前まで、黒人は差別されているのが当然の社会だったんです。公共トイレもレストランも黒人と白人は別々でした。バスも乗り降りも黒人は一番最後でしたし、後部座席にしか座れなかったそうです。それが今では黒人の大統領ですよ。アメリカという大国を担うリーダーとして、国民が黒人を選んだんです。驚異的な国ですよね。

日本の国民の政治離れは学校の責任でもあるかもしれないなぁと思ったりします。アメリカで、子供達の学校の様子を見ていて分ったのですけど、小学校から社会と密着した授業を行います。自分達の住んでいる所はどう 言う所か、どんなお店やどう言う団体があるのか学んだり、近くの老人ホームを訪問したりと、そういう事から自分は社会の一員であるというのを学ばせている気がします。同時に、コミュニティサービスといって地域に貢献する事を学ばせようとします。高校ともなれば、40時間の地域への奉仕活動が高校の卒業条件です。社会に奉仕する事が存在意義だと考えているからです。こういう「ボランティア精神」は、学校や教会で小さい事から植え付けられます。、、、、、この「ボランティア精神」は、キリスト教と深く関わっている部分なのかもしれませんね。


N子:それともうひとつ。なかなか解けない疑問があります。最近、元文化庁長官でご自身も心理療法家である河合隼雄という人の本ばかり読んでいます。そのなかで「日本の民主主義はアメリカのキリスト教の精神を取り入れないまま普及したところに歪がある」と語っておられ、その疑問が引っ掛かってしまっています。それが日本の競争社会をうんだんだと。私たちは人間の能力は基本的には同じだと思っています。それって日本独特なんでしょうか。いろんな方の講演会に行くのが好きでよく拝聴させていただいていますが、ある講師の方がアメリカは先天的に天才に恵まれた子供をgifted childと呼び神様から送られた才能と考えるとおしゃってました。それともうひとつのエピソード。ある在米者のお子さんが野球チームに入ってて、「上手な子はいいポジションばかり与えられるのをみて不公平だ」とアメリカ人の夫に言うと、「そうでなければアメリカからは弁護士も医者もうまれないだろう」と言っていたそうです。子どもの、いえ人間の能力は差があるというのがアメリカとしての考え方というものでしょうか。

ちむどん:河合隼雄氏の「日本の民主主義はアメリカのキリスト教の精神を取り入れないまま普及したところに歪がある」という言葉に、私も考えてしまいました。
一人一人が神様の子であり、みんな違ったギフトを与えられて生まれて来る、これがキリスト経をベースにした考えだと思います。皆同じではありませ ん。命の尊さは皆同じです。Everybody is different. Everybody is special. 五体満足の子が足の無い子に勝るか、というとそうではないのと同じ事。その子の存在にはそれぞれ神からの目的があり、素晴らしい可能性を秘めていると信じます。長けている才能は更に伸ばそうというシステムもできあがっています。だから、飛び級も頻繁にありますし、高校生の年齢で医学部に入学する子もいたりします。私の息子は、高校にいながらにしてワシントン大学のクラスを取っています。こういう感じで、皆が皆同じ事をしなくちゃいけないと言う決まりがありませんし、才能に合わせた様々なクラスが用意されています。

でもその分、厳しい競争社会でもあると言っても過言ではないかもしれません。つまり、N子さんが聞いた通り、野球チーム等では、うまい子はスポットライトを浴びる機会が増えます。なかなか試合に出してもらえない子の事をベンチウォーマーと形容する言葉があるくらいです。例えば、私の息子が小さい頃、実際に酷似した事が起こりました。
サッカーのチームで、二グループに分かれて練習試合をする事になりました。まず、コーチは一番上手い子を二人リーダーに立てました。それから何をしたかというと、残りの子供達を横一列に並ばせて、そのリーダーに交互に欲しい子を選ばせたんです。息子は下手な方でしたので、いつまでも呼ばれませんでした。やっと最後から2番目に呼ばれました。それを見ている親としは、凄く辛かったですよ。
厳しい世界のように写りますが、でも、これが社会の現実ですよね。子供達は、どうやれば自分もスペシャルになれるのか考えて努力をして行かなくてはいけません。差があるから頑張るし、失敗があるから学びますものね。もし、差も何もない世界だとどうでしょう。人間って努力をするでしょうか、、、。頑張って努力をした先には報酬が待っている、という事ですね。頑張って上達した子を褒めるのもアメリカ人はとても上手いです。

肝心なのは、辛い事から這い上がる力を身につけなければならない、ということだと思います。これが、生きる力だと思います。
ここで、今、ふと思ったのが、河合隼雄氏の言葉です。アメリカは、自分の力で何とかしなくてはいけない、というのが基本的な姿勢としてあると思います。厳しい現実の仕組みの中で生きながら、奉仕の精神もある。だから、自由とチャンスが存在するのではないでしょうか。つまり、希望が生まれるのですね。
今、日本は、希望を失っている人が多いような気がします。自殺者が急激に増えているのは、その歪みが多いに関係しているかも、、、とふと思ってしまいました。

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2008年12月10日 14:49
Posted by ちむどんどん
Comments(5)Heart to Heart
この記事へのコメント
ちむどんさん、これだけはっきり、ちゃんとお話が出来るお友達がいると言うことは幸せなことだと思いました。私は大切なお話を聞けたと思います。ありがとうございます。どんなことでも希望を持ち続ける・・・・私の心にもいつも希望を持ち続けていられるように・・・・頑張ります(^^♪
Posted by ウリズン at 2008年12月11日 09:32
おはようございます。かな?
このディスカッションの内容を読ませてもらったのですが、さすがU,S,Aですね。
日本の政治(首相)を見てますとミスばっかり
日々支持率は低下してくし次の首相は誰・・・・
システムが違うだけですむ問題ではないですね
これからの日米間がどのように変化するか不況を日米どのように切り抜けるか、
日本も失業者があふれてます。もちろんその影響は沖縄にもじわりと、どうなるんでしょう。
Posted by (有)ちゅらさん(有)ちゅらさん at 2008年12月13日 20:56
ウリズンさんへ

いい友達に囲まれているのは、本当に幸運だと思います。励まされたり、刺激を受けたり、そう言う影響を与えてくれる人との出逢いは貴重ですね。希望がある限り、大丈夫。なんくるないさぁの奥義です。


ちゅらさんさんへ

不況、これから悪化は避けられないでしょうね。右も左も解雇だらけです。アメリカも日本も自動車業界のモロに打撃を受けていますね。アメリカという国は破産宣告をしてしまうのでしょうか、、、。オバマの抱える問題は膨大です。さあ、これからどうなるのでしょう。
Posted by ちむどんどん at 2008年12月15日 16:34
N子さんとのやりとり興味深く読ませてもらいました。

>日本の民主主義はアメリカのキリスト教の精神を取り 入れないまま普及したところに歪がある

それは私も感じています。
日本ではボランティア活動や、
公共への奉仕の精神が欠如している、
個人や企業が多い感じがします。

リーダーの不在というのも大きな問題ですね。
人を応援するというより、
足を引っ張るコミュニケーションが多い風土もあるし
これからの時代、これらの課題を克服して
ちゃんとリーダーシップをとれる人を
育てていくのも大切でしょうね。

これから大変な時代を迎えていきますが
「資本主義の崩壊」もありえるかもな~と感じています。

そのとき力を発揮できるのは、
戦世、アメリカ世、大和世と
まったく価値観、文化の違う中で
柔軟に生きてきた「うちな~んちゅ」や
ちむどんどんさんのダ~リンの家族のような
バックボーンをもつ人々だと思います。

自分のブレない価値観をもって
対処していくしかないでしょうね。
Posted by ルミナスルミナス at 2008年12月17日 05:54
ルミナスさんへ

昔、慈善活動をしない企業が多すぎるとルミナスさんは嘆いていましたね。周りにしてあげる事が結局は自分に戻って来るということを大切にしていきたいものです。

私達の親の世代、70代、80代の人達の生きる力は凄いものですよね。私達にも同等の力があるのか、、、疑問です。これからそれが試される日が来るのではないかと、そんな予感がします。
Posted by ちむどんどんちむどんどん at 2008年12月17日 15:58
 
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